第6話

終わった後の甘いひとときは、唯一偽りのない素直な時間で。



優しく私を抱き寄せる達哉の表情は穏やかだ。




優しく撫でられる頬が堪らなく熱い。




「喉、渇いた?何か持ってきてやろうか?」




達哉はこの時だけは人が変わったように優しくなる。




「いい。大丈夫」




いや、達哉は本当は優しい男なんだ。



変えたのは……。




「温けぇな。お前」




ううん。達哉は変わっていない。



偽っているだけで。




「寝ろよ。俺も寝るからさ」




ギュッと抱きついてくる様子なんて愛情そのものだ。




「勝手に帰ったら許さねぇから」




誰よりも寂しがり屋で。




「たまにはいいだろ?」




誰よりも愛情に飢えてて。




「傍にいろよ。たまにはさ……」




誰よりも私を愛してる。

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