第3話

「今日も不良が居る。」


頬杖突いたあたしの隣りの席にアイスコーヒーのグラスがトンと置かれた。


クスクス笑う。何が可笑しいのだろう。

あたしはそのまま知らない振りをした。


不良と言われる行いをした積もりは毛頭ないのだし。



ゆとりある片側1車線の道路向かいには、先程閉店した個人経営の花屋。


先日改装して、綺麗になったばかりだ。


クスクス笑いの人物はそこの若き店主。



あたしはずっと、そこを眺めていたから

この店主が車道を横断したのも、煙草をポイッと投げ捨てたのも

それがいつも通りで喜々としている事も知っている。

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