第36話

ただ、何も変化がなかったかと聞かれれば、そんなことはない。


家に帰った後のきょうちゃんは少しだけ様子が違った。




何が違うかって態度の1つ1つだ。


どうしてだか恋人扱いするような感じだった。


それに普段とは全然違う感じに私を抱いた。



いつもの悪戯の延長線みたいなやつじゃなく、普通の恋人がするような、やたらめったら穏やかで甘い、キスから始まってキスで終わるような優しいやつ。




別にそれはそれで満たされたし、こういうのも好きだとも思う。


しかし、いきなりの変化に頭の中は混乱。


3年掛けて同じだったものが急に変わったんだから、そりゃ焦る。


だけど、きょうちゃんは動揺しまくってる私に何も言わずに寝てしまった。



やけに穏やかな顔で私を抱き締めて。

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