第18話
「そう言えば新しい家が決まったわ」
「あ、そっか…。来月だったね」
「うん」
起き上がって服を着て直ぐ、話を切り替えるように机に置いてあった不動産屋の封筒を渡された。
開けて中を見てみれば、出てきたのは今よりも少し広めの賃貸マンション。
キッチンとかお風呂とか設備が最新式で内装もオシャレ。
住所は今住んでいる街から電車で何時間も掛かる場所だ。
何を隠そう
他の支社に欠員が出たとかで急遽。
来月にはこの街から居なくなる。
だから余計に寂しいのかな。
心にどでかい穴が開いたような気分。
そりゃ一応国内だし、私達はもう大人だ。
会おうと思えば、いつでも会えると思う。
だけど、いくら仲が良いとはいえ、私達はただの友達。
それも異性間の友達。
おまけに体の関係まである友達だ。
離れてしまったら疎遠になってしまうんじゃないかと思う。
それこそ2度と会わなくなる可能性だってある。
久々に会って交わした会話が結婚報告だったことなんてザラにある話だし、私達もそうなってしまわないか不安。
今までだって顔を合わさない期間はあったけど、簡単に会える距離には居たから。
会えなくなる生活なんて想像もつかない。
体の距離がそのまま心の距離に反映されそうで怖い。
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