第16話
「ま、過ぎたことは仕方ない」
「酷い」
「別にいいじゃん。綾にしかしないんだし」
「嘘ばっか」
「本当だって」
全然、本気じゃなさそうにヘラヘラ笑って。
知ってるんだよ。
何だかんだ言って、ちゃっかり色んな女に言い寄られているのは。
昔からそう。
独特の空気感が良いんだろうか。
隣のクラスの女の子、部活の後輩、バイト先の先輩、中学時代の同級生、同じ大学の子。
何度も何度も別の誰かと歩いてるのを見かけた。
知らない間に言い寄られて、いつの間にか彼女が出来てる。
しかも聞かなきゃ言わない。
言い逃れ出来ないような証拠を持って核心をつくまで口を割らない。
のらりくらりと白を切り通してバレるまで隠してる。
初めて私と寝た日だってそう。しれっとした顔で私と会って寝て次の日の朝。
ごめん、浮気した。別れよ―、って誠実なのか不真面目なのか判断に困るような電話を相手に掛けてた。
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