本当の嘘

第15話

「……起きてたの?」


「まぁね」




次の日の朝。ヤることヤッて目を覚ますと先にきょうちゃんが起きてた。何をするでもなく、ぼーっとした顔で私を見てる。



いつも先に起きることが多いから困惑。シラフだから余計。



やっていることと普段のギャップが凄まじ過ぎて耐えられない。無性に照れる。




「……酔い潰れた女を襲うなんて罪悪感は無いのかね、君」


「何言ってんの。強請ねだったのはあやの方じゃん」


「いやいや、先に手を出してきたのはきょうちゃんの方でしょ」


「それはあやが体をくっつけてきたから」


きょうちゃんが抱き締めるからじゃない」




照れくさくてふざけてみたら失敗。何故だか無駄な押し付け合いが始まる。



別にどっちであろうと結果は同じなのに2人とも割と必死。



本当に、どうしてこうなるんだか。

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