第12話

「おい」


「当たった」


「嘘ばっか」


「別にいいじゃん。今更でしょ」


「……最低」


「そこはもう、お互い様じゃね?」




悪い笑みを浮かべるきょうちゃんに苦笑いを返す。



あぁ、いつもそうだ。初めて寝た日からこうやってズルズルと。



飲みに行った日の帰りはいつも。



私ときょうちゃんは友人としての一線を遥かに超えてしまっている。




酔った勢いでじゃれついて。

じゃれてたら偶然触れちゃって。

触れたら悪戯心が湧き上がって。

ちょっとした悪戯のつもりで触り合って。

触り合ってたら気持ち良くなって。

気持ち良くなったらつい我慢出来なくなって。

あわよくばって流れるように、そのまま…。



偶然の産物さんぶつのようにじわじわと進んでいくそれは、初めてした時からずっと続いてる。

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