第7話

「そのくらいでヤメておいてね」


「なんで?」


「家に連れて帰るのが大変だから」


「何を言う。我々にはタクシーがあるじゃないか」


「降りた後が大変なんだよ。あやが住んでるマンション、階段しかないし」


「ならきょうちゃん家に行けばいいじゃん」




ココから近いし……と、さり気なく誘いの言葉を呟いてみる。



そんな私をきょうちゃんは目だけでチラリと見た。



視線が合い少しだけ動揺。心の内を見透かされているみたい。




「……ふーん。そっか。ならいいや」



しかし、きょうちゃんは特に何もツッコんでこなかった。



だったら気にしない。と、お酒をテーブルにコトンと置いて自分もガン飲みモード。



メニュー表に目を通して、新しい飲み物を注文している。



あぁ、これは、いつものパターンになりそうだな…、と思いながらも横から「ビール」と頼んでる私も大概たいがい



行けばどうなるか分かってるくせに。本当に私ってバカな女だ。



散々、京ちゃんの所為にしておいて、こうなった原因は間違いなく私の方にもある。

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