第2話

「笑いすぎ」


「だってお前、真剣な顔で何を言うかと思えば、嫁の貰い手がないって……」


「なーんで?深刻な問題でしょ?」




くだらないと言いたげなきょうちゃんに身を乗り出してツッコむ。



そうよ。かなり深刻な問題だ。ここ最近で1番とも呼べるくらい。



そりゃ結婚が全てではないけれど、このまま独り身で子供も作らず、老いていくだけなのかと思ったらメチャクチャ不安。



最後の最後まで独りぼっちなんて、そんなの絶対寂しいし。願わくば寄りえる誰かとげたい。



せめて経験だけでも。とにかく散る前に一花だけでも咲かせたい。




「そうか?別にそんなこと言われて焦るような歳でもないだろ」


「そうだけど…」


「言うてまだ20代半ばだし」


「うん」


祖母ばあちゃんだって、ただムカついて言っただけだよ。気にすんな」




しかし、きょうちゃんは慰めようとしてくれているのか、いないのか、頭を悩ませる私に何でもない事のように語る。



あっけらかんとした顔をして意識は既に新しいドリンクの方だ。



何を飲もうかメニューを見て悩んでいる。

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