第7話

「も〜。しつこいっ。チエミを離して!ナンパなら他を当たってよっ」


「えー。俺は君達が気に入ったし」


「い、いや、友達と遊んでるんで…」


「いいから。ほら、こっち」




断ってるのにメチャクチャ強引。


あっちだよ〜と指を差され、視線を向けてみれば、確かに女の子が数人泳いで遊んでいる。



だけど、全員同じくらいの年齢。


しかも一人残らず目が病んでる。


何故か全身痣だらけだし、怖い。



明らかに変。



本当に妹?


この人、皆のお兄ちゃんなの?



何だか怪しい…。


逃げ出したい気持ちでいっぱいだ。


だけど、握った手には結構な力が籠められていて逃げられない。



思わず冷や汗がたらり。


男の人にあまり免疫がないし、困惑する。



それこそ手を繋いだのなんて、お兄ちゃんくらいしか…。

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