第8話

真兄の発言に目を見開く。




「妄想癖……?」



「俺がお前を好き?ないない!あり得ねーって」




真兄は、そう言いながら床を叩いてゲラゲラ笑い転げた。




真兄にあっさり否定されて落ち込んでいた気分が、さらに奈落の底まで落ちこむ。




私を好きじゃないとは思っていたけど……真兄の口からはっきり言われた上に爆笑までされて、かなり辛い。



告白せずに失恋、みたいな?




あーあ。さようなら。あたしの初恋。



バイバイ、淡い恋心、元気でね。




「………」




いや、どうせ失恋決定ならついでに告っちゃえばいいか。



同じ失恋でも、その方がすっきりするし。

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