第15話

真っ白な世界が広がる。



俺、死んだのかな?



君のところに行ける。



そう思うと少し頬が綻んだ。



君に会ったら真っ先に愛してると言おう。



言って、抱き締めて、キスをして。



何度も何度も愛してると好きだと伝えよう。



もう一度君に会いたい。



「それがあなたの望みですか?」


急に聞こえた涼やかな声に驚いて辺りを見回した。



「あ、お前は…」



俺の横にあの黒猫がいた。



「はい。助けて頂きありがとうございました」



黒猫は深々とお辞儀をした。



「いや、いいんだ。それよりお前も死んだのか?」



助け切れなかったのかと思うと落ち込む。



「いえ、私もあなたも死んでなんかおりません」



黒猫は淡々とそう告げた。

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