第14話

その黒猫の頭を撫でてやると嬉しそうに猫は喉を鳴らした。



そんな様子に君の姿を思い出す。



俺は雨に濡れてしまっていた黒猫を抱き抱えて雨にあたらない場所に連れてきた。



しかし、黒猫は体についた水滴を払い落とすと、空を見上げて再び雨の中を飛び出ようとする。



「おい。ここにいろよ」



そう声を掛けたら黒猫は



「ニャー」



と鳴いて飛び出した。



それと同時にクラクションが鳴り響く。



パッと見るとトラックが走って来ていた。



黒猫はクラクションの音に驚いたのか立ち止まって動かない。



俺は咄嗟にトラックの前に飛び出た。

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