第9話
俺と君との間に子供は出来なかった。
俺はそのとき、33歳で君は28歳で。
周りから子供はまだかと聞かれるプレッシャーに堪えられなくて、俺はだんだん焦ってきていた。
不妊検査もしたけど、別に異常は無くて。
どうして出来ないのかと毎日悩んだ。
子供が大好きな君が誰よりも子供が欲しかったはずなのに。
頭を抱える俺に君は
「コウノトリさんの順番待ちなのよ」
って言ってくれたんだ。
その言葉は凄く心に響いて俺は笑って……。
笑う俺に君も笑って……。
その日から俺は穏やかに過ごせるようになった。
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