第7話

雨が降る日のこと。



いつものように俺の家に来て台所に立つ君に散々迷った末に



「結婚するか?」



と聞いた。



精一杯の愛情表現だった。



君に拒絶されることを考えると怖かったけど、言わずにはいられなかった。



君は……



俺の言葉を聞いて泣いた。



ずっと溜めていた涙を放出するかのように。



不安になる俺に君は溢れ続ける涙を拭うこともせずに掠れた声で



「はい……」



と頷いてくれた。



その一言がどれ程嬉しかったことか。



そして、引っ越しの予定の1ヶ月前に俺達は入籍した。

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