第6話

2回目の告白は15歳の時。



中学生だった昭太とあたしは思春期の所為



「宮城さん」



「佐野君」




なんて名字で呼び合っていた。



そのくせ、帰り道で会った時は “近所だから” なんて理由をつけて一緒に帰る。




本当は、お互いわざと出会でくわすように同じ時間に同じ道を通っていたのに。





ある日また理由をつけて一緒に帰っていた時……。




「なぁ、缶けりしようぜ!」




昭太が子供っぽい勝負を挑んできた。




「2人で?」



「そ。2人で。勝ったら俺の言うこと聞けよ」




ニヤニヤ笑いながら言う昭太にあたしは溜め息を1つ零して、




「また俺と付き合えとか言うんじゃないでしょうね?」




と聞いた。



冗談半分、願掛け半分だった。

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