第82話
もー。何よ。大丈夫じゃない。
何年も帰って来ないのかと思って焦ったわよ。
やっぱりただの勘違いだったのね、と安心する傍らでカンナちゃんは不満そうに眉を釣り上げる。
「酷いっ。1ヶ月も離れ離れなのに、どうしてそんなに余裕なのっ」
“ナオったら冷たい”と怒るカンナちゃん。
かと思ったら、また泣き出した。
もうメンタルがボロボロ。
「余裕なんてないけど」
「あるもんっ」
「ないよ。既に行って帰ってきて今だと思い込みたいくらいだし」
一方、泣かれた新城君は焦ってる。
でも、いいわ。
あなたはちょっと焦っときなさい。
喧嘩になる前に素直に気持ちを言いなさいと言ってるのに聞かなかった罰よ。
本当に困ったツンデレさんだわ。
「そのわりにはあっさりしてたじゃない!」
「現実逃避したかったんだよ」
「嘘だっ。大したことがなさそうにしてたくせに!!」
「してない」
余裕があるとかないとか騒いで2人はあたしの隣で仲睦まじく喧嘩を始めてる。
あらあら。結局は好きからくる喧嘩じゃないの。
何だかんだ年数が経ってもラブラブね、と一安心。
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