第71話
「やる」
「いいの?」
「クリスマスだしな」
そう言われて渡された箱を静々と受け取ればショウはふっと小さく笑った。
それに微笑みを返す私はすっかりご機嫌を取られてる。
さっきまで怒っていたのに私ってば単純。
でも、一緒に居ない間も自分のことを考えていてくれたみたいで嬉しいんだもの。
彼女だな、って感じがする。
「開ければ?」
「うん」
感激しているとショウから箱を開けるように促された。
言われた通り箱に掛けられたリボンを外す。
中に入っていたのは私がずっと可愛いと思ってたネックレスだった。
凄く欲しかったやつ……。
どうして分かっちゃうのよ。
何が欲しいとも聞かなければ、欲しいと思ってる物を用意するところがショウらしい。
「どうしてこれなの?」
「欲しがってただろ」
「……どうして分かったのよ」
「この間、出掛けたときに、それを見て足を止めてたから」
映画館に向かうエレベーターを押し、ショウが当たり前なことのように言う。
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