第41話

「我慢出来ないくらい気持ちいい?」



「……ち、違っ……」



「バレバレだし」



「違う、ってば……っ」




必死で否定してるのに、ナオは私にキスを落として余裕たっぷりに笑う。



確かにそうだけど……その通りだけど!



狡いよ。私ばっかり翻弄されてナオってばいつも余裕たっぷりなんだもん。





その余裕な表情を崩したくて、そっとネクタイに指を引っかける。



あっさり解けたそれが床に落ちていって、それと同時にナオの首筋に舌を這わせた。



背中に添えられたナオの指がピクっと動く。




「……煽ってるの?」



「煽ってる。私ばっかり狡いもん」



「…………」



「……そうやって、余裕で笑っていられないくらい、私が欲しくて我慢出来なくなっちゃえばいいんじゃない?」




そう言い終わらないうちに顎をグッと掴まれて唇を奪われた。

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