第20話

「したきゃしろよ!」




ほんと勝手にしろよ、とジュースを手に取った俺の横でナオは強請られた通りカンナと唇を重ねる。



チラっと覗き見たらカンナは嬉しそうに笑ってて。



ナオは「おやすみ」なんて子供をあやすような手つきでカンナの頭を撫でると、続けざまにスッと目を細めて俺を見た。



怒りを含んだ目で。




「それで?」



「……なんだよ?」



「誰がカンナにお酒を飲ましたの?」




ぶはっとジュースを吹き出しそうになる。



むしろ、鼻に入りそうになった。



こいつ、やっぱ気づいてたのかよ!!



機嫌良さそうにしてたから完全に油断してたわ。

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