第17話

カンナに告るって言った時もそうだ。



わざわざ家にまで宣戦布告しに行ったのに、こいつは“勝手にすれば”の一点張りで、ベッドに顔を伏せたまま俺の顔すら見なかった。



あれは“見なかった”んじゃなくて、“見れなかったんだ”だろ?



内心メチャクチャ嫌だったくせに。



ほんと素直じゃねー。





「そういやお前さ、勝手に告ればいいとか言ってたけど、もしそれで俺とカンナが付き合ってたらどうしてたんだよ」



「そうだね、四六時中ベタベタしまくって、さり気なく2人っきりにならないように邪魔してたかな。ケイが諦めるまで」



「……お前、本気で鬼だな」



「否定はしない」




ちっ。やっぱりそうかよ……。



絶対そうだと思ってたわ。



最初っから渡す気なんかねーじゃん。



あんな微妙にわかる位置にキスマークなんか付けてアピってさ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る