第16話

焦って否定し続ける俺を、ナオは探るような目でじっと見つめる。



かなりやばい……。



まさか酔って暑がってお前の代わりに脱がせようとしたとも言えねーし。



それこそ、ぶっ殺されるわ。





「確かにそうだけど、マジで違う。これには深い事情があるんだって」



「どうだか。ケイはカンナの口の真横にキスしたって前科もあるしね」



「はぁ?お前まだあのキス未遂のこと怒ってんの?」



「……別に怒ってないよ。全然怒ってない」



「あぁ、怒ってんのな」




急に俺から目を逸らして俯くナオ。



ほんとわかりやすい。



クールぶってるけど、これ絶対怒ってるだろ。



こいつ昔っから独占欲強いし。



いつもわりと冷静なのにカンナのことになると途端に崩れる。

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