第2話

午前2時の海。


気配に振り返ると、白いブラウスに長いスカートかなんかを履いた女が、背後にしゃがんでいた。



だだっ広い砂浜で俺の後ろに居る存在を

薄気味悪いとも、怖いとも思わなかった。




「ガキがこんな時間迄なにやってんだよ。」


この砂浜に観光客はそんなに来ない。

もっと大きくて綺麗な処が手前に有る。

地元の高校生ってところか。



「先が見えないし、死のうとしてるんだよ。多分衝動。」


振り返って問うた俺にその女は泣き顔でも楽しそうに笑う。




少し驚いたが、悪くないと思った。

先が見えないのは、俺もだから。

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