絶望的なセックス

Y。興味本位の成れ果て

第1話

生暖かい潮風。

覚束ない足どり。


俺は缶ビールを一口飲んで、砂の上に腰を下ろした。




『あたしだって、辛いの。』


異国の地に学を修めに行った女は

ルームシェアしていた一人の男と生きていくらしい。



俺とこの気持ちを置き去りにして

女は消えた。



その帰り道、どうやって家に辿り着いたかは覚えていない。



只、その日もこんな月が出ていて

今だって誘(いざな)われた様にここに居る。




自嘲の笑い声は波の音に混じった。

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