第33話

天罰だ…。鼻にクリティカルヒットした。メチャクチャ痛い。痣になるんじゃないかと思う。



しかもツーショットが撮れなかった…。


顔の痛みより、そっちの方がショック。




「何やってんの?」


「ごめん!何か、その、ちょっと写真が欲しいなと思って」


「写真…?何の?」


「蓮くんの。ほら、スーツ姿とか色々…」




微妙に犯行を隠しながら言った私に蓮くんはあまり興味が無さそうに「そっか…」と呟いた。



怒られるかと思ったけど、寝ぼけてるのか反応が薄い。


むしろ、目を瞑って再び夢の中へ戻ろうとしている。



ラッキー。バレてない。


写真は消さずに済みそう。


良かったー。しかもやばい。可愛い。寝ぼけてる。貴重なものが見れた…なんて喜んだのも束の間、いきなり手を握られて顔を打った痛みも即座に吹き飛び、更に焦る。

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