第32話

でも、このチャンスを逃すのは惜しすぎる。


とりあえず1枚だけでも絶対に確保したい。撮って毎日寝る前に家でこっそり1人で見る。



何ならプリントアウトして蓮くんお宝秘蔵写真コレクションの一軍に仲間入りさせたい。



あわよくばツーショットも撮ろう。


最初の1枚が撮り終わったら直ぐに隣に寝転がって、ささっと撮って離れれば大丈夫。



きっと、まだ起きないはず…、なんて頭の中で計算しまくってる私は結構痛い女だ。



自分で自分に軽く引きつつ、カシャッと音を立てて写真を撮る。


その瞬間、スマホに放り込まれる蓮くんの寝顔。



やったー!撮れた。よし。次は2人で…。




「……明日香?」


「ひゃっ!」



と、思いつつ隣に寝転がったら蓮くんに声を掛けられた。



目が合い、焦ってスマホを顔面に落とす。

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