第31話

そんな彼氏の寝顔を見て無意識にスマホを取り出しているんだから本当に私はどうしようもない。



恋人を通り越して、ほぼファンの心理だ。


しかもかなり熱狂的な。



見逃したら勿体ないの精神。


自分でも呆れる。




「寝てるー?」



それでも誘惑に勝てず、小声で声を掛けながら、そっと蓮くんのベッドに足を乗せる。


そのまま寝ている蓮くんの顔にスマホを向けて、とにかく音を立てないように注意を払いながらカメラを開く。



何だか…。メチャクチャ悪いことをしている気分。



付き合って5年目の彼氏の寝顔を撮ろうとしているだけなのに、この罪悪感はいったい何だろう…。



イケないことをしているような。

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