第13話

あの後『付き合う?』と聞いた私に蓮くんは少し間を置き『うん』と静かに頷いた。



中1の冬。友達としては終わり恋人として始まった日。あれから5年の月日が経ったけど、あの日の思いや感情はいまだ時効が切れていない。




だから離れない。今でもずっと。どれだけ冷たくされたってニコニコ笑って傍に居続けている。



あの日言われた『好きだ』を信じて。





「じゃあな」


「うん」




結局、あまり会話も無く、曲がり角に着いて蓮くんと別れた。



5年か…。しんみりした気持ちになりながら蓮くんに向かって手を振る。



あの日、心に植えた種はどうなったんだろう?


少しは成長したのかな。それとそのまま?どっちだろう?




聞きたいけど、聞きたくない。


知りたいけど、知りたくない。


覗きたいけど、覗きたくない。



心の中の本音。

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