第12話
そんな弱々しい蓮くんを見たのは初めてだった。
小さい頃からの付き合いだけど、蓮くんの泣いた顔を見たのはアレが最初で最後。1度きり。
そりゃ気付いていたよ。蓮くんはただ私と離れたくないって気持ちでいっぱいなだけだったって。
言われた『好きだ』は単に仲直りしたくて出てきた言葉で恋愛感情はあまり含まれていなかった。それこそ“嫌いで意地悪していた訳じゃない”と伝えたかっただけだと思う。
ただ私は嬉しかった。形がどうであろうと蓮くんに必要とされて。自分に縋り付く蓮くんがどうしようもなく愛しく感じた。
それに未来に賭けてみたくなったの。
今はまだ小さいこの愛情がいつか大きく育って本物になってくれるんじゃないか、って。
だからお互いの心に愛情の種を植えて、ただただ2人の未来を信じた。
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