第3話
「話し終わった〜?」
「まだ居たのかよ」
「うん。一緒に帰ろうと思って」
廊下の隅で待つこと10分。下駄箱に向かって歩き始めた蓮くんに声を掛ける。
我ながらしつこいとは思うけど、今日は絶対一緒に帰りたい。
自由登校に入ってしまったのもあって次はいつ蓮くんと学校で会えるか分からないし。
同じマンションに住んでいるから顔はよく合わせているけど、近所の目があるとか言って会話はほぼ無し。
それこそ擦れ違って終了。軽く挨拶して終わり。
デートもしなければ休日も滅多に会ってくれないんだもん。話す機会があるとすれば登下校中くらいなもの。
なのに。
「友達と帰れよ」
蓮くんは頷いてくれない。
こちらにチラッと視線を向けて煩わしそうに小さく溜め息を吐くだけ。
何なら傍を歩いてた私の友達を指差して「あの子と帰れば?」とまで言い出した。
久々に彼女と会ったというのに薄情な。
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