第83話

こいつは昔、散々私に嫌がらせをしてきたんだ。




悔しくて、鬱陶しくて……だから智明が嫌で煩わしくて仕方がなかったんだっけ?




毎日言われる暴言に唇を噛み締めて堪えていたのを思い出す。




“智明が豹変しますように”




って神社でお祈りをしまくったり




流れ星を見たらお願いをしたり




このゴミがゴミ箱に一発で入れば智明が豹変。なんてルールを作ったり




試行錯誤する日々だったはず。




それが急にぱったりと止んだのは突然、智明が忠実で女々しい男に変わったからで……。




その時の私は願いが叶った!神様ありがとう!くらいにしか思わなかった。




今思えば




そ ん な 夢 物 語




あるはずがない。

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