第73話

こいつに煩いなんて言われるのは本気で腹が立つ。




「あんたに煩いとか言われたくないんだけど」



「黙んねーなら口塞いでやってもいいけど?」




叫ぶ私に煩わしそうな視線を送ると、智明は気だるそうに机に体を伏せた。




こいつ……バカにしてんの!?




「……塞げるものなら塞いでみれば?」




私は智明に負けないようにバカにしたように上から見下ろしながら言い返した。




簡単には負けないって意思を込めて。




「あっそ。んじゃ、遠慮なく」




智明は伏せていた体を起こして、徐々に顔を近づけてくる。




「ちょっと……」




このままだと私……智明にキスされる?



昨日のことが一瞬フラッシュバックした。

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