サタン、覚醒
第72話
朝、家の前に智明がいなかった。
マンションの下にもいない。
昨日の今日だし、さすがに気まずいのかな?なんて思ってた。
でも、それが勘違いだったってことに直ぐに気づかされた。
教室で冷たい目で私を見下ろすこの男を見て。
「な、なに?私、睨まれるようなことしたっけ?」
「は?別に」
キャラが……。キャラが崩壊してる。
「なんか……いつもと雰囲気違うじゃん?」
「あっそ」
智明さんキレていらっしゃるのかしら?
ってかなんなのこの態度。
ムカつく。
「あんたね、何様のつもり?」
「朝からうるせーよ」
智明は煩わしそうな視線を私に向ると、顔を背けた。
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