第66話

「……え?」



「離すわけないじゃん」



「え、やだ。離してよ」




いつも通りの智明に戻ったし、てっきり素直に離してくれると思ったのに!




智明は笑みを浮かべたまま、私を解放してくれる素振りがない。




「離してもいいけど条件がある」



「なに……?条件って」




もの凄く嫌な予感がする。




「俺の彼女になってよ」



「拒否」




やっぱりそうだと思った。




この状況での条件ってそんな理由が鉄則だし。




「えぇー?じゃあ、このまま続きをするよ?」



「うっ……それは……」



「選んで?紗理奈。俺と付き合うか抱かれるか」

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