第58話

「普通の友達?それ本気で言ってんの?」




智明はゆっくり起き上がってクスクス笑い始めた。




「智明?」




なに?笑えるところあった?



智明が笑う理由がわからない。




茫然と智明を見つめてたら、智明は笑いながら私の顔を覗き込んできた。




その表情がいつもと違って冷たくて背筋がゾッとする。




「な、なに……」



「うん。わかった」



「……え?」



「いいよ。友達で!……なんて言うと思ってんの?」




怖くて言い返せなかった。




いつもの……優しい智明の顔じゃない。




口元をつり上げて笑っているのに目は笑っていなかった。

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