第57話
聞く気がないってことか。
でも、私は今日話すって決めたんだ。
聞かないって拒否られても絶対に言う。
私は智明の隣に腰を降ろした。
「あのね……智明……私、智明から離れようと思うんだ」
「……え?」
私がポツっと呟いた声が聞こえたのか、智明は耳を塞ぐのを止めて振り返った。
「幼なじみはやめて、普通の友達になろう?もうここにも来ない」
いざ言葉に出してみると、スラスラと言えて悲しくなる。
こんな言葉1つで15年間の友情が消えてしまうなんて……。
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