第55話
「いや、聞いて欲しい」
「だから聞かないって!」
智明はそのままベッドに寝転がると目を閉じてしまった。
「寝るな!話を聞け!」
「嫌だ!聞きたくない!俺、寝るからご飯が出来たら起こして」
「いいから起きろ!」
イライラしてきた。
頑なに拒否られると意地でも言いたくなる。
私は智明の腕を引っ張って無理やり起き上がらせた。
「なに?今日のさっちゃんおかしいよ」
「おかしいのはあんただ!どうして話を聞こうとしないの?」
怪訝な顔をする智明にムカついて私は上から睨みつけた。
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