第54話

「話が……あるの」




凄く言いづらい。



今日で最後かと思うと無性に寂しくなる。




でも、言わなきゃお互い前に進めない。




暫く私をじっと見つめていた智明はふと視線を外すと、ニッコリ無邪気に笑った。



いつものように。





「聞かない」



「……え?」




聞き間違いかな?



今聞かないって……。




「あの、智明……」



「話なら聞かない。それより早くご飯作って?お腹空いたー!」




話を逸らされてしまった。




智明はいつも通りニコニコ笑ってる。




なんで?どうしてよりにもよって大事な話の時に限って……。

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