第33話

「あんたが私を異性として好きだとしても、私はあんたを男として見れないの」




同じことを何回も言わせるなんて……やっぱりしつこい男。





「それでも俺は紗理奈が好きだ。好きじゃないなら惚れさせるし」



「無理。私があんたに惚れるなんて、イルカがリンボーダンスを踊るよりも無理」





真剣な顔で言われても100%無理なものは無理なんだから!




いい加減諦めろ。





「なるほど。イルカは賢いから、さっちゃんが俺を好きになる可能性が無いわけじゃないってことか」




誰かこの超楽天的なプラス思考のバカを止めて下さい。





「勝手に妄想してなよ。ってかご飯出来たから帰る」



「え、ちょっと待ってよ!」




ご飯を作り終えた私は、智明の制止する声を無視して智明の家を出た。

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