第20話

それからの智明の行動は、驚くぐらい早くて。



数日後、あっという間に私と智明は剣道部に入部が決まった。




顧問に連れられて、剣道場の中に入ると緊張が強まった。




胴着に身を包んだ人たちが、竹刀を振り回して稽古をしていて。




結構本格的な練習様子に急に不安が押し寄せる。




勢いで入部しちゃったけど、マネージャーなんて出来るのかな?



知識も何もない私なんかに。




そんな不安になる私の心境なんて知らない顧問は、笑顔で私たちを大男の前に連れて行く。




その大男は顧問と一言、二言話すとこちらに振り返った。




「どーも。俺がキャプテンの井上だ」



「キャプテン、デカっ!」




思わず挨拶を忘れて叫ぶ。



体格も良ければ身長も高い。




まるでクマ。月の輪グマ……いやヒグマ、白クマ?




そんな無礼な私の振る舞いに怒らずに、キャプテンは見た目からは想像もつかないような柔らかな笑みを浮かべた。

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