第19話

「無理。嫌だ」



「デート代は俺が出すから」



「デートしないし、無理!!」





もう、しつこいなー。朝から疲れてきた。





「無理か。こうなったらまたオバさんに……」



「泣きついたら学校辞めるから」




含み笑いでイケない作戦を立てようとする智明に、眉間に皺を寄せてビシっと忠告をした。




すぐにお母さん達に泣きつこうとするんだから。



迷惑なヤツ。





「いい加減……諦めたら?」



「やだ。さっちゃんがマネージャーだったら気合いも入るし。もっと強くなれそうな気がするんだ」




智明はそんな恥ずかしいことをサラッと言いながら、爽やかな笑顔を私に向けてくる。




私はこの笑顔に弱い。



いつも言い返せなくなる。




んー。強くなれそうな気がする……か。



しょうがないなー。




「今回で最後だからね!」



「え?」



「気合いを入れてあげるって言ってるの」




また智明に振り回されてる。って思ったりもするけど……。




ま、たまにはいっか。

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