第18話

「オジさんに?そんなの悪いし、無理だって」



「無理じゃないって。親父……最近、母さんに内緒で株で儲けてるらしいし」




オジさんのへそくり狙いか。



私のお父さんとは違ってダンディなオジさんの姿が目に浮かぶ。




「ダメ。オジさんに迷惑が掛かるし、厚かましいじゃない」




首を横に振って拒否したら、智明に両肩を力強く掴まれた。




「いいんだよ。さっちゃんは未来の俺の奥さんになるんだし」



「なりません」




何を根拠に!サラっと勝手なことを言わないで欲しい。




なるわけがない。




「えぇー!なるでしょ?なるって言って!」



「ならないってば」




肩をガックリ落として、智明は目に涙を溜めて私を見つめてくる。




可哀想だけど嫌なものは嫌だし、頷けない。




「うっ。じゃあ、その話しは置いといて……本題に戻すけど、お昼ご飯を毎回奢る!どう?」




お昼ご飯を毎回奢りか……。



おいしいけど……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る