第14話

「そんなことするわけないって」



「怪しい」



「無い無い。きっと俺たち運命の赤い糸で結ばれてるんだよ」





智明は冷めきった私の視線に屈さず、私の手をそっと握り締めてきた。



嬉しそうに満面の笑みを向けてくる。




「繋がって堪るか!」




しかし、私は智明の手を払い除けて、心底嫌そうに顔を歪めてやった。




こいつと赤い糸で結ばれているくらいなら、ゴリラと結ばれていた方がマシだ。



絶対に無理。




「俺はさっちゃんと繋がってるって信じてるもん」



「何が信じてるもん、よ。気持ち悪い」




そんなの繋がっていない。



万が一繋がっていたとしても、ハサミでちょん切ってやるわ。




「うっ。気持ち悪いって……。キツイお言葉」



「キツくても事実」




運命の赤い糸なんか信じちゃってバカみたい。



あるわけないわと、頬杖をつきながら鼻で笑う。



すると、智明は私の机の前に回り込んで視線を合わせてきた。

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