第11話

「守ってくれなくて結構!」




コイツに頼るのはゴメンだ。




私はキッパリと言い切ってさっさとマンションから出た。




「えぇー?どうして?」




競歩する勢いで早く歩いているのに、智明はすんなりと横に追い付いてくる。




身長差がこんなに憎ましく思うのは初めてだ。



横にべったりくっついて、しつこく聞いてくる智明が鬱陶しくて、また深いため息が出る。




「なんかあんたに頼ったら弱みを握られそうで嫌だし」




この男のことだから泣きつく時のネタとかにしそうだし。




そんなの嫌だ。

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