第10話

「憂鬱なの?大丈夫だよ。俺が付いてるから」




智明は自信満々に頷きながら、私の頭をポンポンと叩いてくる。




何 が 大 丈 夫 な の ?




頭に乗った手を払い除けて、智明の頭を叩く。




「あんたみたいな女々しくて、チャラチャラした男が傍にいても何も変わらない。もっとシャキっとしろ。シャキっと」



「酷っ!これでも俺ずっと剣道やってきたんだし、さっちゃんを守ることくらい出来るよ?」




智明は頭を擦りながら、珍しく真面目な顔で私を見下ろしてくる。



確かに。



智明は子供の頃からずっと剣道をしてきたんだ。




それに結構強いし。



頼りがいはあるかも知れない。



けど……。

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