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すべて円滑に話が終わり、私と琉輝さんは叔父の家をあとにした。
カフェで私にアイスコーヒーを浴びせるくらい激怒していた叔母が、最後は笑顔で見送ってくれるなんて。
これまでと態度をガラリと変えた完全なる手の平返しだ。
『俺が翠々の力になる。任せろ』
『翠々にとって身内と呼べるのは叔母さんだけだろ? なんとか関係を修復出来たらいいな』
大丈夫だと琉輝さんが言ってくれたとおりになった。
彼がいなかったら、私は叔母から本当に縁を切られていたと思う。
「琉輝さん、今日はありがとうございました。お金は働いて返しますので」
「ごめんな。余計なことだったかもしれないけど、早く返済しておいたほうがよさそうだったし」
隣を歩く琉輝さんがおもむろに私の手を取ってギュッと握った。
「翠々は助けて欲しくても我慢するタイプだろ? これからはなんでも俺に言えよ」
もっと頼ってもいいのかな。彼の包容力を前にすると、溶けるくらい甘えたくなってしまう。
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