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「琉輝さん、ありがとうございます」
「俺はずっと危なっかしいことをしていたんだな」
「……なにがですか?」
会話がかみ合っていない気がして尋ね返したのだけれど、彼は安堵する私を広い胸に閉じ込め、首をもたげて私の肩に顎を乗せた。
「日本に戻ってきたら正式に付き合ってほしいと伝えるつもりだった。そばにいられない状況で言うのは気が引けたから。だけどよく考えたら今までほかの男に
彼の切なげな声が脳を震わせる。
胸の中にあったものをすべてさらけ出してくれた気がして、うれしくて感動してしまった。
ずっと琉輝さんを忘れられずにいたけれど、触れあいながら話をするだけでこれまでの何倍も愛おしい思いが膨らんでいく。
「それは私もです。琉輝さんが私を選んでくれたのは奇跡ですよ」
絵本の中から飛び出てきた王子様みたいな彼が、ありふれた私を愛するなんて普通に考えたらありえない。
だからこうして恋人同士になれただけで私にとっては奇跡なのだ。
キュンとしながら神様に感謝していると、そっとキスを落とされた。
いったん唇を離した琉輝さんの瞳には熱が宿っていて、その色気だけで体中の力が抜けてしまいそう。
「煽らないでくれよ」
ボソリとつぶやいたあと、再び私の唇を奪う。何度も角度を変えて深く慈しむように。
彼が夢中になってくれていると実感できて、私は身も心も幸せに包まれた。
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