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「交流会でバーベキューするらしいぞ。琉輝も一緒に行こ!」
俺が特定の女の子と仲良くしたがっているのが珍しいのか、同じビジネススクールで学んでいる
「翠々ちゃんと仲良くなれるチャンスじゃん」
“翠々ちゃん”なんて気安く呼ぶなよと、つい口にしそうになった。
壮太はいいヤツだが、驚くほど節操がない。
「そうだな。俺が行かないとお前が彼女の周りをうろちょろするだろ」
「けっこうマジなんだな。へぇ、琉輝がねぇ……」
「絶対手を出すなよ」
わかりやすく強めに釘を刺したところ、壮太にはガハハと大声で爆笑された。無礼なヤツだ。
「琉輝はさ、顔も頭もいいんだから普通にアピールすればいいんじゃないの? 二ヶ月なんてあっという間だ。グズグズしてたらずぐに日本に帰っちゃうぞ」
軽い調子でサラリと返されたけれど、壮太が言うことも一理ある。
一目惚れに近い形で翠々に惹かれているが、澄ました顔でなにもアピールしなければ、留学を終えた彼女は日本に帰ってそれで終わりだ。
「彼氏……いるのかな?」
ポツリとこぼした俺の本音を拾い、壮太が意味深にニヤリと笑った。
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