第7話

翌日の朝早く、まだ朝日が頭を出しかけている時刻。

 俺はストレッチをして登山に備える。

「…よし、それじゃ行ってきます」

 こんな早朝だというのに、両親と馴染みの深い女中たちが見送りに出てきてくれた。

「お気をつけて」

「護衛をつけたいところだったが、生憎裏山には柊家の当主と次期当主候補しか入れないからな。くれぐれも気をつけるのだぞ」

 少し顔色が悪い当主が声をかけた。

「…わかりました」

 俺はみんなに頭をぺこりと下げると、裏山に向けて歩き始めた。

 目の前にそびえる、今から俺が登ろうとする裏山は、朝日を浴びてまるで火に焼かれ燃えているように赤くなっていた。

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