第93話

振り返ってみればショウがドアに寄り掛かって、呆れた顔で立っていた。




私が手に持っていた少女漫画を見て小さくため息を溢してる。




「何だ?それ。お前、寝るんじゃなかったのかよ」



「そんなの私の勝手でしょ?それより出てってよっ。私は今、参考書を読んでるの!」



「少女漫画が参考書?相変わらず少女趣味に走ってんな、お前」




悲しいとか疲れたとか、そんな感情を忘れて、小バカにしたように鼻で笑うショウに一気に怒りが込み上げた。




部屋まで嫌味を言いに追い掛けてくるなんて、ドSもいいところだよっ。




「あっそ。意地悪を言いに来ただけなら出てって!」



「別に俺はお前に嫌がらせを言いに来たわけじゃねぇ」



「じゃあ、なに?」



「ちょっと、な」




ショウは私の傍に歩み寄って来ると、急に真顔で見下ろしてきた。




威圧感が凄い。悪い意味で心臓がバクバクする。

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